私は、肱南地区に生まれ、幼い頃から臥龍山荘の近くでよく遊びまわっていたものでした。父が酒屋をしていた姿に憧れ、物心ついたころから「自分も酒屋になるんだ！」と意識していましたし、周りにも公言していました。

転機は大学3年生の頃、進学で県外に出ていた私ですが、地元にあるスーパーのテナントとして実家の酒屋が出店することになりました。当時、まだ四国ではテナントとしての出店は珍しかったので、ノウハウを学びに横浜まで通った日々でした。その時お会いした酒屋の先輩方の考え方や酒と向き合う姿勢にかなり刺激を受け、今の自分を形成したのは諸先輩方のおかげだと言っても過言ではありません。「酒を買いにくるのではなく、澤田くんから買いたいと思わせるような店を目指しなさい」と言っていただいた当時は、まだ本質を理解していませんでしたが、今となってはその意味がわかったような気がします。

ワインや日本酒の魅力やストーリーを伝えていく一方で、今は酒米づくりにも興味を持ち始め、農家さんと一緒に米を育てています。今まで農業の経験はなく、毎回新しい学びの連続で、１つ１つの作業が大変興味深く、時間を忘れて作業に没頭しています。将来的にはこの酒米で、おそらくまだ前例の無い「無農薬での酒造り」に挑戦したいと思っています。

今後は、価値あるものを活かしながら地方でおもしろいことをどんどんやっていきたいです。そうすれば興味を持った人たちが大洲まで来てくれて、その結果、もっと地方は元気になると思っています。

• 酒乃さわだ 公式ホームページ
• 酒乃さわだ小倉邸について